日本に住む知人のネパール人から大型免許を取得したと聞いて、ネパールでのバスの怖い記憶がよみがえった。これまで経験したネパールのバスは、乗客を荷物かそれ以下に考えているのではないかと思うようなことが多かったからだ。未舗装の山間部の崖道のような所でもアクセル全開で、まるでラリーでもしているような走り方だ。
先月23日にも、ネパール中部のタナフン郡の丘陵地帯で、バスが崖下の川に転落し、乗客乗員43人のうち27人が死亡したという事故が起こったばかりだ。
在ネパール日本大使館も「ネパールでは、天候によっては山間部における土砂崩れや地滑り、路肩の崩落や未舗装道路による事故が多く発生しており、さらに整備不良車両の使用や運転手の過労運転、スピード超過による無謀な運転等によって、崖下に転落するような大きな交通事故が頻繁に発生しています」と注意喚起したほどだ。
そんな中、東急バスなど3社合同で、ネパールの自動車教習所と業務提携し、現地に「日本式教習所」を立ち上げるという話を聞いた。
日本では、「2024年問題」への対応として、3月に自動車運送業が特定技能制度の対象として新規追加され、外国人でもバス運転手などになれるようになった。
日本式教習所が、日本での安全基準やサービスマナーを教育し、バス運転手は人命を預かる重要な職業であるという自覚を持たせる場として一役買ってくれるよう期待している。(T)