近年、スーパーなどの商品で見覚えのあるパッケージでも、中身が微妙に減っている現象が目立つようになった。例えば、わが家で購入している洗剤の量が減ったり、冷凍ナゲットが小さくなったりしている。このほか、ポテトチップス、シリアル、菓子類など、さまざまな食品で「シュリンクフレーション」が起きている。
米国ではこのシュリンクフレーションという現象が注目を集めている。これは、製品の価格を据え置いたまま、内容量やサイズを減らすことで、実質的な値上げを行う手法だ。
日本でも同様の現象が見られ「ステルス値上げ」と呼ばれたが、米国でも消費者に不評だ。
最近、マクドナルドの顧客たちが、シュリンクフレーションに不満を抱き、ボイコットを呼び掛けたことが報じられた。特にある顧客は、ハンバーグが非常に薄いチーズバーガーを提供されたとしてSNSで話題となった。
すでにさまざまな商品の価格が上昇しているにもかかわらず、より少ない商品に同じ価格を支払わされるのは腹立たしいことだ。昨年のイプソスの調査では、83%の人が、自分が受け取る金額が少なく、シュリンクフレーションに気付いており、79%の人が、それにだまされたと感じると答えた。
シュリンクフレーションは、企業が原材料費や労働コストの上昇に対応するための手段でもある。しかし、いつの間にか量が減っているという現象は、不透明なだけに、価格上昇以上に消費者は怒り、信頼を損なうリスクがある。(Y)