相次ぐ中国の主権侵害に抗議

鹿児島県の屋久島周辺で領海に侵入した中国海軍の測量艦=8月31日(防衛省統合幕僚監部提供)

中国による日本の主権侵害行為が相次いでいる。

先月26日には中国軍のY9情報収集機1機が長崎県男女群島沖の日本領空を侵犯した。また、31日には同海軍の測量艦が鹿児島県沖の領海に侵入し約2時間航行した。

これらのニュースは全国的に大きく報じられたが、一方で沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で中国海警局の艦船が領海侵入を常態的に繰り返していることにはあまりスポットが当たっていない現状がある。

そのような中で、NHKのラジオ国際放送で中国籍のスタッフが尖閣諸島を「中国の領土」などと発言した問題について、石垣市議会が抗議の声を上げた。

同市議会(我喜屋隆次議長)は先月29日の9月定例会本会議で、NHKに対する抗議決議と再発防止を求める意見書を与党などの賛成多数で可決した。

決議では「個人的な発言ができてしまうずさんなNHKの管理体制、公共放送・国際放送としての報道体制のあり方には大きな疑念が生じている」とした上で、「尖閣諸島は当市行政区域であり、中国側が主張する虚偽内容が我が国の国際放送から放送されたことは看過できない重大な問題であり、大変遺憾」だと批判した。

意見書では、総務省とNHKに対し、原因究明や再発防止を強く求めている。同市議会野党は、尖閣諸島を巡る抗議については理解を示しつつも、「決議文の内容に偏りがある」などとして議決の反対に回った。

立て続けに発生する中国の主権侵害に対して、政府は「外交ルートを通じての抗議」に徹し、再発防止を求めるのみだ。しかし中国は改善するどころか、むしろ挑発を強めているといえる。今月実施される自民党総裁選では、これらの問題についてもしっかりとした議論が求められる。

(K)

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