フィリピンは世界有数の祝日が多い国となっている。その数は年間30日近くとなっており、マルコス大統領の国内旅行を促進するという政策も合わせて、週末が連休になることも多い。
先日もマルコス氏が8月21日のニノイ・アキノ記念日を23日に移動すると宣言し、週末と26日の英雄の日も含め4連休となった。しかし発表がいつも直前になる傾向があり、今回も6日前だったため、現地在住の外国人からは不満の声も。
多過ぎる祝日には政府内からも苦言が出ている。上院は国際的な競争力を上げるため祝日を制限する方針を示した。具体的には別々に祝われている国家的英雄や大統領に関する祝日を一つにまとめることを検討するというものだ。
労働雇用省も多過ぎる祝日が生産性や競争力に影響を与え、投資家の懸念事項となっていると認めている。国の祝日だけでなく地方の祝日もあるため、経営者は調整を余儀なくされ休日手当などを余計に支払う必要があると指摘した。
ほかにもマニラ首都圏では台風などで大雨が降ると各地で洪水が発生し、学校や役所が急に休みになることも多い。先日も台風11号の影響で週明けの3日間に多くの学校が休みになったばかりだ。
安定した生産性と競争力を確保するには、祝日の見直しに加え、多少の雨でも洪水にならないインフラを整備する必要がありそうだ。(F)