トップコラム【上昇気流】コメ離れに拍車?

【上昇気流】コメ離れに拍車?

コメ

スーパーなどでコメの品薄状態が続いている。近くのスーパー2店舗を昼すぎに覗(のぞ)いてみたが、どちらもコメの棚は空っぽ。これで我慢してとばかり、代わりにパックご飯や餅が並んでいた。

店の人に聞いてみると「2、3日に1回は入荷しています。午前中に来てみてください」との答え。時々、開店直後にでも覗いてみるしかなさそう。もう一軒で午前中に来ればあるかと聞いても「全く分かりません」。

入手することはできたが、こんなコメの品不足は東日本大震災の時以来である。原因は新米への切り替えで流通在庫が減る8月の端境期に、南海トラフ地震の臨時情報発表を受けて消費者の買いだめが発生したことが大きいようだ。

政府は、これから新米が出荷され、品薄状態は少しずつ解消するという見通しを語っている。それにしては品薄の期間が長過ぎるようにも思う。

それ以上に気になるのは、生産費の上昇を受けて、昨年より2割以上値上がりするとみられていることだ。食べ盛りの子供がいる家庭では、品不足以上に痛いだろう。

農林水産省が主催した関係者の意見交換会では、コメの高値が続くと「消費の減退に結び付く」といった懸念が卸売業者から表明された。それでなくとも、食生活の洋風化によってコメの消費は減っている。実際、コメが手に入らなければ、洋風のおかずの場合、主食はパンでもいいと考える人もいるだろう。コメ離れに拍車が掛からなければよいのだが。

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