会員制の米国系大型量販店「コストコ」の沖縄南城倉庫店(南城市)が8月23日にオープンした。オープン前から、会員証を発行するために大勢の客が押し寄せていたこともあり、開店後には大規模な混雑が予想されていた。オープンから1週間以上経過した現在も、周辺道路は連日大渋滞となっており、地元からは悲鳴が上がっている。
一時は5時間待ちの看板が出されるほど渋滞は長蛇の列を成し道路を埋め尽くした。これらの騒動を受け、コストコは南城市と緊急で対策会議を開き、道路の混雑状況を確認できるサイトを開設したり、市内の道路各地に店舗までの迂回経路や所要時間などを記した看板を設置するなど対応に追われている。
南城市在住の男性は、「オープンしたら混むことは予想していたが、まさかここまでとは」とため息交じりで話した。コストコ周辺の道路は片側一車線で迂回路が少ない道が続くため、道路の新設など、抜本的な解決が早急に求められている。
普段から通勤退勤時には慢性的な渋滞に見舞われる沖縄において、新たな大型施設の開業は、さらに混雑に拍車を掛けることが改めて浮き彫りとなった。
これらの問題を受け、新たに不安の声が上がっているのは、本島北部・名護市と今帰仁村で来年開業予定の大型テーマパーク「ジャングリア」だ。今回同様の大渋滞が発生し交通が麻痺(まひ)すると、南部地域とのアクセスに支障が出るだけでなく、周辺の観光地や地元住民の生活にも多大なる被害が発生する恐れがある。
沖縄経済が今後も発展していくためには、渋滞解消と新たな交通インフラの整備は、避けては通れない大きな課題だといえる。
(K)