イスラエルでは9月に新学年が始まる。8月の終わりは、学童のいる親にとって新学年の準備に追われるプレッシャーと同時に、長い休み中の子供の世話から解放される時期だ。
スーパーやショッピングモールには、新学年に買いそろえる学用品がたくさん並んでいる。小中高と生徒が学校に持って行くカバンは、背中に背負うリュックスタイルで、好きなデザインのものを毎年買い替える。
教科書は学校から借りる。小学3年生くらいから教科書の量が増えて、登山リュックかと思うほど重いリュックをしょって、子供たちは学校に通う。楽に運べるようスーツケースのようにキャリーが付いているタイプのリュックもある。
うちの娘たちはもう高校を卒業して数年になるが、学校から卒業祝いで頂いた品は、自分が入れるほどの大きいバックパックだった。高校卒業後、ユダヤ人の男子も女子も兵役があるこの国では、基本的に誰もがこの大きいバックパックを背負うことになる。
通学で毎日重いリュックを背負い、遠足のたびに3リットルの水を携帯しなければならなかった娘たちを思い出す。全ては、後に訪れる兵役に向けた訓練だったように思えてならない。
戦争で昨年10月から避難生活をしている子供たちは、そんな普通の学校生活には戻れていない。セキュリティーフェンスの向こう側には、きょう生きるので精いっぱいの子供たちもいる。
どこの子供たちも普通の日常に一日も早く戻れることを願う。(M)