フィンランド政府が5月、授業中の生徒のスマートフォン使用を制限するため今までより強い権限を教師に与える法案を立案中だと発表して以降、学校でのスマートフォン使用制限を巡る議論が続いている。確かに、授業中のスマートフォン使用は生徒と教師の両方にとって学習から気を散らすものだ。記者から見れば、スマートフォンの授業中の使用は制限すべきものだと思うが、簡単に法案が策定されるとはいかないようだ。
現行法でも学校はすでに授業中のスマートフォンの使用禁止を指示することができる。だが、生徒が自主的にスマートフォンをしまう必要があり、強制はできない。つまり学校や教師が授業中、ずっとスマートフォンの使用を禁止することは許可されてはいない。
教室でのスマートフォンの使用を禁止するという提案は、社会全体で幅広い支持を得ているが、新たな法案策定に際しては、生徒には「表現の自由」だけでなく「財産権」も考慮せざるを得ず、生徒の「基本的権利」が侵害されないようにする配慮が必要だという議論がある。
このため、学校での使用を全面的に禁止する法律が制定される可能性はほぼないと言われている。
法案の作成は5月に始まったが、全面禁止か、教師に教室でのスマートフォンの使用を管理する権限を与えるに留(とど)まるかは不透明のままだ。夏休みが終わり学校が始まったが、教師たちにとって授業中の生徒のスマートフォン利用という頭の痛い問題は当分続きそうだ。(Y)