沖縄は実は避暑地

夏の塩屋湾

日本全国で連日猛烈な暑さが続いている。気象庁によると全国の7月の平均気温は平年より2・16度高く、1898年の統計開始以降、2年連続で過去最高を記録した。そんな中、沖縄は意外に暑くないことをご存じだろうか。

「常夏の島」の印象が強い沖縄は、1年中暑いと思われがちだが、実はそうでもない。今夏、全国各地では40度近い猛暑日が続くが、沖縄では35度を超える日はほとんどない。沖縄が「常夏の島」と呼ばれる理由は、気温が日本で最も高いからではなく、気温が25度以上の「夏日」の日数が多いためなのだ。

実際に昨年の各都道府県ごとの最高気温ランキングを見ると、なんと沖縄県は全国最下位で、暑いどころかむしろ北海道よりも涼しい地域だったことが分かる。

SNSなどを見てみても、「地元の福島よりも沖縄が涼しかった」「東京よりも沖縄のほうが風が心地良い」などの旅行者の書き込みが多く見られる。

では、一体なぜ熱帯地域である沖縄が日本で一番涼しいのだろうか。この奇妙な現象の理由については諸説あるが、沖縄は四方を海で囲まれており、海風の影響を受けやすい地域であることから、陸で熱された空気が海に逃げやすいため気温が上がりにくいとする説が有力だ。

このほか、東京のようなコンクリートやビルに囲まれた地域が少ないため、「ヒートアイランド現象」が起こりにくいことや、高い山が少ないため、高温の空気が山を越える「フェーン現象」が起こりにくいことなども理由の一つだと考えられている。

つまり沖縄は、冬は暖かく夏はそこまで暑くならないという、魅力的な特性を有している地域なのだ。今年の夏は避暑地として沖縄を訪れてみるのはいかが。

(K)

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