ノースコリアと呼ばないで 韓国から

パリ五輪の開幕式では、参加国がセーヌ川を船で入場する際に韓国を北朝鮮の正式名称でアナウンスしてしまい、韓国側を呆(あき)れさせるハプニングが起きたが、今度は卓球混合で銀メダルを取った北朝鮮代表の記者会見で、司会者が北朝鮮を「ノースコリア」と呼んだことに北朝鮮が反発し、同行スタッフが抗議するという出来事があった。

抗議の理由は正式名称で呼ばなかったから。記者席の最前列付近から司会者の話を制止し、正式名称である「朝鮮民主主義人民共和国(DPR KOREA)」で呼ぶよう司会者に詰め寄る場面が写真付きで報じられた。あまりにも体面を重んじる国だからなのか、国際舞台で正式な国名が呼ばれなかったのがよほど許せなかったようだ。しかも北朝鮮がこの種の抗議をするのは実は今回が初めてではなく、過去に何度かあったようだ。

北朝鮮が「ノースコリア」と呼ばれるのを嫌うのは、単に正式名称ではないからだけなのか。それは文字通り「朝鮮半島の北部」を意味し、韓国や西側諸国ではいずれ半島が統一されるという期待にも通じる。北朝鮮としては吸収されるというニュアンスをくみ取ってしまうだろう。

それでいて北朝鮮は韓国のことを長年、「南朝鮮」と呼び続けた。これも自分の国を中心に統一したいという思いの表れだろう。昨年からそれを止めて「大韓民国」を呼ぶようになったのは、自分たちを「ノースコリア」と呼ばせないためだという俗説もある。(U)

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