移民の同化は不可能か フランスから

パリ南東部郊外、移民系住民が多く住むヴィルジュイフに住むチュニジア系移民女性のリーナさんは、3歳の子供の母親でチュニジア人の夫と暮らす。彼女は今回の国民議会選挙で右派・国民連合(RN)に投票したという。

リーナさんは両親が住む同じ町の低家賃住宅(HLM)で生まれ、育った。パリ大学のパンテオン・ソルボンヌで経済を学び、今はオルリー空港で働いている。選挙について聞くと「極端な政党は右でも左でも私たちアラブ系には良くないこともあるけど、今の国民連合は弱者優先だからいいと思った」と答えた。

そこで思い切って、フランス政府が進める移民同化政策について聞いてみた。彼女は「私の親は1970年の初めにチュニジアから移民して、ずっと働いてきた。そのおかげでチュニジアに家も建てられた」と言った。

「父も母もフランスはいい国だと言っているけど、フランスに同化しろというのは、まったく、無理な話だし、フランスで育った私や周りのチュニジア系フランス人も同化は無理だと言っている」とリーナさんは言う。彼女は通常、頭にヒジャブ(スカーフ)をかぶり、職場でも許される範囲のスカーフを着用している。

彼女が今、最も心配していることは、子供が学校に行くようになった時、学校で差別を受けないかだという。「私はいじめとは母親として徹底して戦う」と闘志をにじませた。(A)

spot_img
Google Translate »