Homeコラム【上昇気流】空母になった米大統領

【上昇気流】空母になった米大統領

7月7日、米東部フィラデルフィアの教会で演説するバイデン大統領(EPA時事)

米大統領選も佳境に入ったというのに、現役バイデン大統領の先行きが怪しくなってきた。高齢に伴うさまざまな懸念が、不調に終わった共和党のトランプ前大統領との討論会で一気に噴出し、身内民主党内からも撤退論が引きも切らない。

衰えたとはいえ、いまだ世界に冠たる最強米国のトップである大統領は国民のなお尊敬の対象だ。「強い米国」の象徴とも言える原子力空母の艦名に近年、歴代大統領の名を冠しているのもその表れと言っていい。

「洋上に浮かぶ一大軍事基地」の威容を誇るだけにどの大統領でもいいわけではない。建国の父の初代ジョージ・ワシントン、奴隷解放の16代エーブラハム・リンカーン、第2次大戦後では「冷戦」の勝利をもたらした40代ロナルド・レーガンら馴染みのある顔ぶれだ。現在保有する12隻のうち9隻がそれに当たる。

中国は「空母キラー」と呼ばれるピンポイントで攻撃できる新型の弾道および巡航ミサイルを開発している。一方で中国は米国並みの外洋に展開する本格的な空母機動部隊の構築に余念がない。

周辺諸国に威圧感を与える強面外交の要だからだ。だが、米国に次ぐ軍事大国にのし上がったものの、空母パワーでは今のところ遠く米国の後塵を拝している。

艦名は最新の「ジョン・F・ケネディ」以後大統領名の予定はないようだ。が、「もしトラ」が現実となると、その業績いかんでは「ドナルド・トランプ」が将来誕生するかもしれない。

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