
フィンランド在住の高学歴で外国籍の求職者にとって、たとえ専門的な知識を習得していても専門職を見つけるのは簡単ではない。
先日、プロジェクトマネジャーだったネパール人の友人と会った。今、求職中で、「フィンランドから強制的に追放されるのではないか」と恐れていた。居住許可に関する厳格な規則が伴う新たな法案により、就労を目的とした居住許可を持つ外国人は、失業後3カ月以内に新たな仕事が見つけられなかった場合、国外退去となるからだ。
3カ月で自らの知識やスキルを生かす専門職を見つけるのは容易ではない。統計局のデータによれば、失業中の求職者の平均求職期間は63週間だ。ヘルシンキ大学の社会科学者アクラク・アフマド氏が採用での差別問題を調べるため、フィンランド名と外国人名を使って約5000通の偽の求人応募書類を送付したところ、面接を受けられたのは、フィンランド人名を持つ応募者が圧倒的に多かったという。
また、フィンランド労働衛生研究所が昨年、採用担当者を対象に実施した匿名の調査では、人事担当者の39%が、応募者の姓が外国風だと面接に呼ばれる可能性が低くなると認めていることが明らかになった。まして、フィンランド語を流暢(りゅうちょう)に話せないのではないかとみられている外国籍の求職者が、競争を勝ち抜くのは簡単ではない。
友人は、「フィンランドで自分に合った専門職を見つけるのは、まるでミッション・インポッシブルのように感じる」と嘆いていたが、職が早く見つかることを願うばかりだ。(Y)