
東京都知事選挙は、小池百合子氏が3選を果たした。前参院議員の蓮舫氏は、無所属新人で前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏にも及ばず3位に甘んじた。石丸氏の健闘は意外だったが、小池氏の勝利は固かった。
その理由は一言でいえば、やはり役者が違うということ。都知事選は知名度で決まると言われる。石原慎太郎氏はもちろん、猪瀬直樹氏、舛添要一氏らも一種のタレント性を備えていた。
小池氏も蓮舫氏も、共にテレビのキャスターから政界入りした。タイプは異なるが、テレビ出身のタレント性が持ち味の重要な部分にある。
裏金問題での自民党への逆風が自分の追い風になると思ったのだろう。蓮舫氏は「自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセット」することを掲げ、5月27日に早々と出馬宣言。一方、小池氏は告示日の1週間ほど前になって、ようやく「多くの方々の要請も踏まえ」と出馬を表明した。この時点で勝負あったように思われる。
かつて石原氏が、立候補するかしないか周りをやきもきさせ、ぎりぎりで立候補を表明した、あの手法だ。注目を集めての真打ち登場。それだけで格の違いを示すことになる。それに加え、蓮舫氏は共産党との連携を前面に出したのだから勝ち目はなかった。
小池氏はコロナ禍の厳しい期間、都政のかじを取り、手堅く実績を残してきた。少子化対策、地震問題など新たな難題が目の前にあるが、小池氏に任せようと考える都民が多かった。