【上昇気流】線状降水帯の扱い方

増水した敷地川=6月28日午後、静岡県磐田市(静岡県庁・土木防災課の河川監視カメラ画像より)

静岡県で大雨が降った先月28日、テレビのニュースで現場から「猛烈な雨が降り、線状降水帯が発生しています」と記者がリポートしていた。この表現は間違いで「線状降水帯が発生し、猛烈な雨が降っています」と言うべきだ。

藤枝市の辺りで午前10時半すぎから線状降水帯が1時間ほど発生。大雨までわずかの時間だったということもあるだろうが、両者の前後の関係や因果関係は逆だ。

線状降水帯は積乱雲が連続して発生し、上空の風が影響して帯のように連なる気象現象で、よく大雨を降らすことが分かっている。平成26年の広島県での集中豪雨からその原因として強調され始めた。

発生の過程に不明な点は多いが、気象庁は同庁のスーパーコンピューターや「富岳」などを活用すれば予測精度の向上が可能とみて研究を進めている。“科学の目”で解析でき、知識を増やせるところが狙い目だという。

線状降水帯は、わが国観測史上最大の1時間雨量187㍉を記録した昭和57年の長崎大水害時も発生したのではないかと最近の調査で言われるようになった。駆け出し記者のころ取材したが、被害が広範囲で足を棒にして歩いたことを思い出す。

当時から避難や事前警告のための情報として線状降水帯の発生予測が利用されていれば、以降の豪雨災害での被害状況は相当違っていたのではないか。毎年、宿痾(しゅくあ)のように列島を襲う集中豪雨。確かな情報があれば人々の避難行動も素早いものとなるだろう。

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