「世界一住みやすい」は本当か オーストリアから

「君が住むウィーンは世界で最も住みやすい都市だよ」と言われれば、気分は悪くないが、本当にそうだろうかとつぶやいてしまう。

英経済誌エコノミストの姉妹組織、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は世界173都市を対象に「安定性」「医療」「教育」「文化と環境」「インフラ」の五つのカテゴリーごとに評価してランキングを決めた。社会の各分野の状況を詳細に分析した上でランキングを決めたのだから、「世界一住みやすい都市」は本来、それなりの価値がある。2位はデンマークの首都コペンハーゲン、3位はスイスのチューリヒだ。大阪は9位に入っている。

「世界一住みやすい都市」という評価はウィーンを訪ねる観光客には魅力的なキャッチフレーズかもしれないが、そこに住んでいるウィーンっ子にとって街は年々騒がしくなり、移民・難民の殺到でもはや安全な都市とはいえなくなってきた。教育面では公立小学校でイスラム系出身の生徒数がカトリック系の親を持つ生徒数を上回ったばかりだ。

オーストリア国民が恐れる「イスラムの北上」が現実味を帯びてきている。エコノミスト誌の「世界で最も住みやすい都市」のタイトルは、その都市に住む市民にとって本当に「住みやすい都市」とは別問題だろう。ウィーンが恵まれた環境圏にあることは間違いないが、「世界一住みやすい都市」という名誉を享受するためにウィーンっ子はそれなりの代価を払っている。(O)

spot_img
Google Translate »