トップコラム【上昇気流】東大の授業料値上げか

【上昇気流】東大の授業料値上げか

東京大学赤門

東京大は年約53万円の授業料を10万円ほど値上げすることを検討している。学内で学生との「総長対話」が行われ、藤井輝夫総長は「値上げにより約29億円の増収が見込まれる」として、教育環境の充実に充てたいと説明した。

国立大は授業料を自由に引き上げられないが、最大約10万円の増額は可能。数校がすでに引き上げを行ったが、大学界トップの動向は他大学への影響が大きく、注目される。

高度な学問を研究し、教えるにはカネがかかる。大部は政府の財政支出で賄われるが、大学当局が調達して改革や運営を自己責任で行い、自由に物事を決められるような方向に進むことは結構なことだ。

国立大学は2004年に独立行政法人化し、学内に少なからず波紋を呼んだ。旧帝大のある工学部教授から当時、「うちの総長はカネ集めは上手(うま)いが、その配分の方法でわれわれ(教職)の事情をくみ取ってくれない」と戸惑いの声を直接聞いた。

東大は法人化に対し相対的に前向きで、研究・教育成果の事業化などでも収入源を広げている。今回の措置は、少子化の影響で厳しい状況に置かれた大学経営への対処や研究の国際化、デジタル化の推進をにらんだものとみられる。

大学が自己責任で運営するからには、入ってほしい学生像や、入学後の教育・研究に関する情報を社会へ積極的に発信すべきだ。研究の質を高めると公言した東京科学大学が間もなく発足する。新設をプラスに評価したい。

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