米国では、タトゥーをしている人によく出会う。いわゆる「普通の人」がしている場合も多く、驚かされる。娘が通っていた公立の幼稚園の先生は、30代ぐらいの明るく気さくな女性だったが、二の腕にどくろの絵柄を含む大きなタトゥーを入れていたことが印象的だった。
米国では、タトゥーは日本に比べるとかなり社会的に受け入れられている。ピュー・リサーチ・センターの昨年の調査によると、米国の成人の約32%がタトゥーをしている。50歳未満の成人は特にタトゥーをする傾向があり、30歳未満の41%、30歳から49歳の46%が少なくとも一つの入れ墨をしている。
また、80%の米国人が過去20年間で社会がタトゥーを持つ人々をより受け入れるようになったと感じている。かつては社会に対する反逆の象徴とされていたが、現在では、より多くの人々にとって自己表現の一つの手段として認識されているのだ。
金融業界や弁護士など職業によっては、受け入れられない場合もあるが、職場においても、タトゥーは以前よりも一般的になっているようで、一部政治家の間でも見られる。ただ、タトゥーを入れた後に気が変わる人は珍しくなく、24%の人がタトゥーを後悔している。
米国でのタトゥーの普及は、個人の自由を重んじる価値観の表れとも見ることができる。とはいえ、日本人の筆者としては、やはり抵抗を感じる部分がある。少なくとも、その選択が後悔につながらないよう、慎重に考えてもらえたらと思う。(Y)