今年、韓国の6月は記録的な猛暑に見舞われた。日中の気温は35度以上の日もあり、熱中症などで体調を崩す人が続出した。下旬にようやく梅雨入りして暑さは収まったが、梅雨明け後にはまた本格的な暑さが待ち受けている。近年はソウルで1カ月以上も熱帯夜が続いた年もあったが、だからといって寝る時にクーラーをがんがん利かせても心地よい睡眠は取れない年齢になってきた。何とも悩ましい時期である。
先日、暑い韓国を乗り切る食べ物だと言われて韓国の知人に誘われて食べたのがコングクス(豆麺)だ。冷たい豆乳のスープに麺と野菜、肉、ゆで卵などを入れ、氷を添えて最後まで冷たい食感を保てるのがいい。主に6月から8月のメニューであるためか専門店は少なく、冷麺や中華料理店など麺類を売っている店にあることが多い。ちなみに北朝鮮にもコングクスはあるが、もう少し見た目が濃いそうだ。
夏バテ防止にいいと言われて友人宅の近所にあるチャンオクイ(焼きウナギ)の店にも行った。焼き肉を焼く時のように炭火で肉厚のウナギ2匹分を焼き、ハサミで一口サイズに切って2人で頬張った。千切り生姜(しょうが)と一緒に食べるも良し、キムチを一緒に口に放り込むも良し。ウナギのこってり感が和らぐので、こんな食べ方もありかなと思った。北朝鮮では党の幹部はいざ知らず、一般住民がウナギを食べる機会は少ない。食欲が減退しかねない夏に勧められた豆麺とウナギに納得。(U)