【上昇気流】(2024年6月14日)

プーチン大統領、ウクライナで戦闘中のロシア軍司令部を訪問(2023年4月18日 写真提供:クレムリンプール/UPI)

英国防省によると、ウクライナに侵攻したロシア軍の5月の死傷者は、1日平均1200人以上で、これまでで最多となった。東部で攻勢に出ていたロシア軍だが、サリバン米大統領補佐官は最近目立った前進はないとしている。

一般論的にも攻める方が守るより損害が出やすい。しかしロシア軍の場合、それ以上に兵士を無慈悲に前線に送り込む人海戦術が大きいようだ。英BBCによると、ロシア軍はこれによってウクライナ軍を消耗させ、その位置を明らかにして砲撃する。「肉ひき器」という、おぞましい言葉で呼ばれる戦術だ。

ウクライナ侵攻が始まって以来の戦死者数は、4月にBBCがロシア軍が5万人を突破したことを確認したが、実数はもっと多いとみられる。

ウクライナ側は2月にゼレンスキー大統領が3万1000人と発表している。ロシア側が誇大な数字を宣伝しているのに対抗したものだが、実際もっと多いとの見方もある。

ロシア軍は訓練も不十分な兵士を前線に送り込み、お金で雇われた外国人傭兵(ようへい)も少なくないという。長期戦を覚悟したロシアが一番懸念するのは、戦死者数が膨れ上がり、国民からの反戦の声が高まることだ。傭兵獲得に力を入れるわけだ。

ロシア、ウクライナの兵士の多くはソ連崩壊後に生まれた青年たちだ。共産主義から解放された新時代の若者たちが、なぜこんな不条理な戦争で命を落とさねばならないのか。実にやり切れない気持ちになる。

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