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英国のスナク首相が、フランスで開かれたノルマンディー上陸作戦の記念式典を早退し、厳しい批判を浴びている。首相はすぐにX(旧ツイッター)で「過ちだった」と謝罪したものの、劣勢が伝えられる7月4日投票の総選挙で敗北は決まったとの声も聞かれる。
1944年6月6日、ナチス・ドイツからフランスを解放するため、米英仏加の連合軍15万人以上が上陸作戦を敢行した。今年はこの「Dデー」から80年の節目に当たる。
スナク氏は英軍が上陸した場所での式典などには参加したものの、バイデン米大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領ら多数の指導者が出席したオマハ・ビーチでの国際式典を欠席。英国に戻って選挙のために民放テレビのインタビューを受けていた。
英国民にとっての「Dデー」の重要性はスナク氏も当然理解しているだろう。旧連合国の首脳が一堂に会する国際式典は晴れ舞台だ。愛国心と誇りを満足させる場面であるという認識が足りなかったのだろう。
2010年5月の英総選挙のキャンペーン中、労働党のブラウン首相が、年金生活の女性からテレビカメラの前で政策を批判された後、胸のマイクのスイッチが入っていることに気付かず、「ただの偏屈女だ」と罵ってしまった。
ブラウン氏は女性の家まで訪ねて謝罪したが、後の祭り。労働党は選挙で大敗し、13年間続いた政権の座を明け渡した。選挙期間中の失態、失言が今回も大きく影響しそうだ。