首相暗殺未遂の波紋 スロバキアから

スロバキアのフィツォ首相(59)が5月15日、銃撃を受けた。一命を取り留め、自宅で療養することになったが、いつ職務にカムバックできるかは不明だ。銃撃したのは71歳の男性で年金生活者。フィツォ首相の政治には日ごろから批判的だったという。

同国では事件後、「誰が事件を引き起こしたか」といった責任追及論争が政治家とメディアの間で展開中だ。

政治家からは「事実を報道せず、憎悪を拡散した」とメディア関係者への批判が飛び出し、議会では公共メディアへの制限を含む厳格なメディア法が審議中だ。具体的には、公共メディアへの政府の管理強化を狙ったメディア法の改革だ。

一方、スロバキアのラジオ・ジャーナリストはオーストリア代表紙プレッセに寄稿し、「5月15日はスロバキアを永遠に変えた。71歳の男は首相の職務能力を奪っただけでなく、わが国の民主主義システムを激変させた。スロバキアの現状は欧州全体への警告だ」と述べている。

フィツォ氏の政治キャリアは長い。同氏は2006~10年、12~18年まで首相を務めた。18年にジャーナリストのヤン・クシアク氏とその婚約者が殺害された事件で、フィツォ氏はイタリアのマフィアと与党の関係が疑われ、辞任に追い込まれた。同氏は昨年9月の繰り上げ選挙でカムバックを果たしたばかりだ。

ジャーナリスト殺害事件後、同国では政治家とメディアの関係が険悪だ。両者の癒着は望ましくないが、いがみ合い、批判するだけの関係は良好とはいえない。(O)

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