
「スパゲティワイヤ」が自治体を悩ませている。電柱に乱雑に設置されたケーブルのことだ。インターネット用の通信ケーブルが加わって、その絡み合い具合が悪化し、スパゲティワイヤと名付けられるまでに至った。特にマニラ首都圏では安全や景観の観点から大きな問題になっている。
重みで電柱が倒壊したり、垂れ下がった電線をトラックが引っ掛けて切断したりと、停電や通信障害、火災の原因にもなっている。実際に昨年8月にはスパゲティワイヤの重みでマニラ市の6本の電柱が次々と倒れ、3人が負傷し8台の車両が損傷する事故が起きている。
場所によっては、電柱が見えないほど電線が複雑に絡み付いており、これを見てビックリする外国人観光客も多い。問題なのはケーブルの設置に関する責任の所在が曖昧なことで、スパゲティワイヤはそれが長年放置されてきた結果なのだ。
特にスパゲティワイヤが大きな問題となっているマニラ首都圏では、各自治体の首長がついに重い腰を上げ、規制条例の制定を検討し始めている。すでに一部の自治体では、電線の地中化を進めているが、ほとんどの地域では、まだスパゲティワイヤは手付かずのままだ。
ある意味マニラ首都圏の名物ともなっているスパゲティワイヤ。規制が実施され本当に過去のものとなるのか、市民の注目が集まっている。(F)