
近年、韓国で人気を博している大人向けの教養テレビ番組がある。どんな人生相談にもユーモアを交えて名回答を導き出すキム・チャンオク氏(50)という男性パーソナリティーによるトークショーだ。キム氏はもともと声楽家になることを夢見て大学の音楽科に進学したが、ひょんなきっかけで講師の道を選び、今では韓国で押しも押されもせぬスター講師になった。
番組は収録スタジオに来場した夫婦やカップル、兄弟、会社仲間などが直接キム氏に自分の悩み事をぶつけ、その場でキム氏が答えるという形式。例えば、こんなやりとりだ。
「夫から今も愛されているという実感を持てない。どうしたらいいか」(中年夫婦の妻)
「美貌の持ち主だから愛され、そうでなければ愛されないのではない。夫に投げ掛ける言葉が優しいか、表情に笑みをたたえているかが大事」(キム氏)
「妻にジョークを言ってもピシャリと叱られ、会話が続かない」(老年夫婦の夫)
「男性は命令調で話す女性と情緒的関係を結びたがらないから、お願いや提案が必要。しかも笑顔が重要で、特に笑う時に手で口を隠すしぐさは『私は女性よ』というサイン、『あなたは魅力的』という褒め言葉にもなる」(キム氏)
その日は女性が強い(?)韓国ならではの質問が多かったが、キム氏に忘れていた自分の過去を触れられ、思わず号泣する来場者も。キム氏は昨年告知された認知症と戦いながら人生指南を続けている。(U)