新型コロナが感染症法上の「5類」に引き下げられて(昨年5月8日)から1年が経過した。それもあって、6月末、首都圏に住む中学時代の同級生が集まり、3年ぶりにミニ同級会を開くことになった。
せっかくだから、故郷(宮城県)で暮らす同級生にも声を掛けようということになった。みんなに知らせるのは、手間がかかる。そこで、幹事を手伝い、主立った男性の同級生には私が電話することになった。あとは、その同級生たちが知らせてくれるはずだ。昭和40年代に思春期を過ごした世代の絆は強いのである。
「東京じゃあ、同級会が開けるのか」。最初に電話した一人が「同級会」と聞くなり感嘆の声を漏らした。「飲み屋はコロナ前のように賑(にぎ)わっているし、マスクを着けている人も少なくなっているよ」と、私が少し盛った話をすると、別の同級生の名前を挙げて「じゃあ、アイツを誘って行くよ」と、うれしそうに参加を承諾してくれた。
このほか、新幹線で日帰りで上京し、参加するという同級生も何人かいた。一応、コロナ禍が収束しても、地元では同級会はまだ早いということなのか、東京で開かれるなら参加し、久しぶりに同級生たちの顔を見ようということのようだ。
私の目分量ではあるが、今、東京で電車に乗ると、マスク着用は5割以下だ。私もマスクを着けない派だ。「コロナはもう怖くない」というのは不遜だろうが、先日も知人と「カンオケに入る前に、カラオケに行こう」と軽口をたたいて、マイクを2時間余り握った。
一方、帰省や出張で地方を訪れ、電車に乗ると、マスク着用派は確実に半数以上を占める。マスク姿で、一人車に乗るドライバーもまだいる。コロナ禍中でさえも、マスク着用に抵抗していた欧米からの観光客の目には、ニッポンの不思議の一つに映っていることだろう。
(森)