洪水被害で見える隣人愛 ブラジルから

ブラジルでは、南部のリオグランデドスル州で発生している洪水被害のニュースが注目を集めている。

先月末から降り続く豪雨によって湖や河川が決壊し、多くの人々が避難を余儀なくされているのだ。報道によると、州人口1120万人のうち、実に200万人が被災したという。

現地から送られてくる映像は衝撃的だ。地平線まで続くほど、泥水のような茶色い水に漬かった街々の写真は、20年前に米南部を直撃したハリケーン・カトリーナの自然災害を思い起こさせる。

州都のポルトアレグレに住んでいる知人は、SNSに泥水に漬かった家の写真と共に、「全てを失った」と絶望的な心情を吐露していた。

治安の悪化も深刻だ。特に夜の外出は最も避けるべきものとされており、停電により街灯を失った街中では「誰が強盗か見分けもつかない」というのだ。

一方、ブラジルの至る所で、被災地に向けた援助の動きが活発になっている。各地の地方自治体が設定した援助拠点には、あふれんばかりの飲料水や食料、医薬品などの物資が集まり始めている。

筆者が訪問した拠点の一つにも、個人や団体、企業から多くの物資が集まっていた。

驚いたのは、宗教団体や宗教団体を背景としたNGOによる支援が多いことだ。ブラジルを訪問してみれば分かるが、人々の信仰心は篤(あつ)く、街中に教会があふれているといっても過言ではない。

隣人愛を説くキリスト教の影響もあるのだろう、信念を持ち、まるで「競争」のように援助に奔走する姿には、大切なものを教えられたような気がした。(S)

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