韓国でも家族や友人、知人などと親睦を深めるため「ノレバン(歌の部屋)」と呼ばれるカラオケに行くことが多い。先日もグループでノレバンに行ったが、面白いことに普段「反日」顔している韓国人が日本語の歌を歌い、妙に打ち解けてしまった。長渕剛の「とんぼ」が十八番という彼は、日本語字幕の下にハングル字幕が表示されるので、何も困らずネイティブのように歌い上げた。日本の歌謡曲が好きな韓国人は実は意外に多い。
先日、こちらのテレビ局が企画して日本と韓国の女性演歌歌手たちによる歌合戦が行われ、大いに話題を呼んだ。名付けて「韓日歌王戦」。毎週火曜日の夜10時から2時間、計7回に及ぶ放送は見応え(聴き応え)があり、同時間帯での視聴率が1位になるなど、視聴者が高い関心を寄せた。日本相手の勝負事になると闘争心をむき出しにするお国柄だが、この歌合戦に限っては互いに相手国歌手の歌唱力を褒めちぎる場面も少なくなかった。
圧巻は日本チーム最年長の歌心りえさんが歌った中島美嘉の「雪の華」。歌唱力や表現力など全てにおいて韓国側を唸(うな)らせた。一方、韓国のエース、チョン・ユジンさんが日本語で歌ったテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」に日本側も酔いしれた。芸能人と一般聴衆による審査で最終的に4対3でやはり(?)韓国が勝ったが、結果とは関係なくお茶の間の韓国視聴者は歌を通じた日韓交流を温かい気持ちで見守ったことだろう。(U)