【上昇気流】(2024年5月14日)

照ノ富士(左)は大の里にすくい投げで敗れる=12日、東京・両国国技館

大相撲夏場所が始まったが、休場力士が相次いでいる。先場所110年ぶりの新入幕優勝を果たした尊富士、小結に復帰した朝乃山が初日から、横綱照ノ富士、大関貴景勝が2日目からの休場となった。若手の台頭で盛り上がる場所だけに残念だ。

いずれも怪我(けが)によるものだが、近年の傾向として明らかに怪我が増えてきた。その一因としてよく言われるのは、力士の大型化である。1980年代後半あたりから、元大関小錦、元横綱の曙や武蔵丸ら米ハワイ出身の巨漢力士に対抗する形で日本人力士も大型化が進んでいった。

大きくなれば立ち合いでぶつかった時の圧力は増す。しかし体重が重くなった分、膝や足首への負担が大きくなる。小錦が膝の故障に苦しんだのが典型的だが、他の力士も怪我や故障の多くが下半身である。

決まり手の頻度も変化してきた。体の大きさが生きる寄り切りはもちろん、押し出しの比率も高まっている。その分、四つ相撲の割合が減った。

しかし一時代を築いた朝青龍と白鵬のモンゴル出身の両横綱は、決して大型ではなく、四つ相撲を得意とした。回しを取って大型力士を土俵に転がしてきた。前者は千代の富士、後者は輪島の相撲に似ていた。大型化は必ずしもプラス面ばかりではないようだ。

モンゴル出身力士といえば、関取最年長の39歳の玉鷲が、歴代10位の通算出場1600回を記録した。休場する力士が多い中、初土俵から一日も休まずというのは凄(すご)いことだ。

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