
夕食にタケノコ飯が出て、久しぶりにコリコリする食感を楽しんだ。ちょうどこの時期の俳句の季語に「筍(たけのこ)」「筍飯」がある。竹林は地方に住んでいた時にはどこでも見掛けた。
農家の裏庭に生えていたことを思い出す。切ってもすぐに生えてくるような印象で、それほど生命力の強い竹からタケノコのような食材ができるとは不思議だ。
古来、竹が利用されていたことは、現存する日本最古の物語とされる「竹取物語」にも出てくる。「竹取物語」は作者も不明で、成立は平安時代初期と言われている。
その冒頭には「今は昔、竹取の翁(おきな)といふ者有りけり。野山にまじりて、竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり」とある。竹を材料にしてさまざまな工芸品を作っていたのだろう。残念ながら、タケノコを食べていたかどうかは分からない。
ただ、貴重な食材であったことは間違いない。タケノコと共にこの時期に食べられるものとしては、フキがある。フキの芽はフキノトウで春先に食用になり、初夏は葉柄が食べられる。食感もタケノコとはやや違うが、繊維質で似ている。
竹というと思い出すのが、詩人の萩原朔太郎(さくたろう)の「竹」という詩。詩集『月に吠える』には2編同名の詩があるが、「ますぐなるもの地面に生え、/するどき青きもの地面に生え、/凍れる冬をつらぬきて、」と始まる詩が、竹の鋭さと強さを感じさせて印象的だ。その朔太郎は、1942年のきょう亡くなっている。






