
大型連休の時期になると、沖縄はハブの季節を迎える。県内では毎年、ハブ咬症患者が50~60人ほど発生している。県保健医療介護部は1日、県民や観光客向けに「ハブ咬症注意報」を発令し、注意を呼び掛けている。
ハブは、日本固有の毒ヘビで奄美諸島や沖縄本島に広く生息している。毒性はニホンマムシほど強くはないが毒牙に100~300㍉㌘ほどの毒を保有する恐ろしい動物だ。
夜行性のため、昼間は森林や水辺の草むらに身を潜めている場合がほとんどだが、好物のネズミを追って人家に侵入することもある。
県は、ハブを見掛けたら1・5㍍以上の距離を取り、各市町村のハブ対策担当課に連絡するよう促している。万が一咬(か)まれてしまった場合は、大声で助けを呼び、安静な状態を保ちつつ医療機関へ急がなければならない。この時、走ったり動き回ると毒の回りが早くなるため注意が必要だ。咬まれたヘビがハブかどうかが不安な時はスマホなどで写真を撮っておくと、スムーズな治療につながる。
ハブといえば、天敵としてマングースの名前を思い浮かべる人も少なくないだろう。かつてネズミやハブを駆除するため、外来種であるマングースが野に放たれたからだ。
しかし雑種であるマングースは、ハブに興味を示さなかったどころか、逆にオキナワノボリトカゲやヤンバルクイナなど、希少な固有種を次々と捕食し始めてしまった。そのため、皮肉なことにマングース自体が駆除の対象となってしまったのだ。
現在、南城市のおきなわワールドでは「ハブとマングースのショー」を見る事ができるが、動物愛護の観点から、かつてのような死闘ではなく、かわいい水泳対決が行われている。
(K)