トップコラム【上昇気流】(2024年5月7日)

【上昇気流】(2024年5月7日)

「こどもの日」を前に総務省が発表した15歳未満の子供の数(4月1日時点)は1401万人で、過去最少を更新した。総人口に占める子供の割合は11・3%で過去最低。人口4000万人以上の37カ国中、韓国に次いで2番目に低い。

都道府県別で子供の割合が最も高いのは沖縄の16・1%で、滋賀13・0%、佐賀12・9%が続く。沖縄は人口1000人当たりの出生率でも、この49年間、全国トップだ。その風土、文化、人々の価値観が背景にある。

岸田文雄首相の「次元の異なる少子化対策」は、教育にお金がかかるなど経済的な問題が少子化の第一の原因と考え、児童手当の拡充を柱にした。しかし沖縄の例を見れば、少子化は必ずしも経済的な理由によるものではないことが分かる。

出生率が東京など都市部で低いのは、生活スタイル、もっと言えば価値観の問題と考えられる。いくら予算を投入しても、そこに踏み込まなければ少子化の流れを逆転させることはできないだろう。

子供が減っていく国に未来はないと言っても過言ではない。何より、社会から活気や明るさがなくなる。

先日も神社の境内で子供たちが鬼ごっこのような遊びで歓声を上げ飛び回っている姿を見て、スマートフォンやゲームの時代でも子供本来の姿は変わらないことを知って少し安心した。社会の変化によって少子化の流れは避けられないという見解を聞くたびに、人間の基本がそう簡単に変わってたまるものかと思う。

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