フィリピンと言えば常夏のイメージだが、今年はエルニーニョ現象の影響で前代未聞の猛暑となっており、暑さに慣れているはずの国民も大きな混乱に見舞われている。
マニラ首都圏では気温が観測史上最高となる38・8度に達し、約100年ぶりに記録を更新した。またタルラック州では今年最高となる40・3度を記録するなど猛暑がニュースのホットトピックとなっている。フィリピンの気象当局は、猛暑の原因は本格的な夏の季節にエルニーニョ現象の影響が重なったことにあると分析している。
この猛暑で一番大きな影響を受けているのはエアコンがない公立学校で、熱中症の懸念から各地で対面授業の中止が相次いでいる。マニラ市では危険な暑さが予測された4月25日と26日にすべての学校で授業が中止となった。コロナ禍による長期間の対面授業中止からようやく通常に戻ったが、猛暑で再び授業が遅れる事態となっている。
またカビテ州は猛暑対策として州職員に週4日勤務を導入した。出勤日は月曜日から木曜日までとなるが一日の勤務時間は午前7時から午後6時までと長くなる。
このような暑さは5月中旬まで続くと予測されていることから、保健省は国民に熱中症対策の徹底を呼び掛け、一日コップ8杯から10杯の水を飲むようアドバイスした。(F)