給食のウズラの卵に思う

ウズラの卵

2月26日に福岡県みやま市で小学1年生の男子児童が給食で出されたウズラの卵を喉に詰まらせて窒息死するという事故が起こった。教育委員会から適切な指導を求める通知が学校宛てに出された。それと共に、保護者から「喉に詰まるような危険な食材を給食で出すべきではない」という批判の声も出ていると聞く。

こうした事例に敏感に反応することは理解できるし、児童1人の命が失われたことは悲しい出来事だ。だが、この出来事とウズラの卵を給食から一掃するという極端な発想は相いれないように思う。

同じくらいの大きさの肉団子、ミニトマト、白玉などが給食に出ることもある。ウズラの卵は一般的な食べ物だし、同じような大きさのコンニャク、カット野菜、芋類だって、食卓に出されるものだ。

以前にも、給食でパンを丸めて飲み込み、牛乳で喉を通そうとして、窒息死したケースがあった。おいしい食べ物でも、関わり方を間違えると危ない、ということを教えることが先決のように思う。例えば「早食いをしない」「きちんと噛(か)んで飲み込む」「丸のみをしない」など食事のマナーとして、栄養の消化・吸収にも良いことを子供たちに教えることも大切なことだと思う。

学校や公園の回転遊具、ジャングルジム、ブランコまでも落ちると危険ということで撤去された公園もある。設置者の自治体は「何かあったら責任が取れない」という理由なのだろうが、あまりにも先回りし過ぎると、子供の危険を予知・予防する能力を削(そ)いでしまうのではないか。

保護者や自治体が安全対策を先回りし、小さな危険を排除すれば、ひとまずは危険を避けることができるかもしれない。だが、次に来る大きな危険に出合った時に対応できないかもしれない。目の前の危険を取り除くだけではない、もっと大きな視野に立って子供を育てていきたいものだ。

(和)

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