例年と違う過ぎ越しの祭 イスラエルから

イスラエルでは、ユダヤ教の祝祭日の中で最も重要な祭りの一つである「過ぎ越しの祭り(ペサハ)」が22日夜から始まった。ユダヤ暦ニサン月15日から1週間続くこの祭りは、ユダヤ民族がエジプトでの400年間の奴隷生活を逃れ、カナンの地(地中海とヨルダン川、死海の間の地域)に向けて出発したことを記念する。

ペサハの始まりの夕食儀式「セデル」では、家族や親戚、友人が一堂に集い、長テーブルを囲み「ハガダ」という特別な式次第を読みながら、その順序に沿って夜通し食べ飲み歌う。

ペサハ期間中は、小麦粉やパン種が少しでも含まれている食品はご法度だ。その代わりに「マッツァ」と呼ばれる種入れぬパンを食べる。これは、ユダヤ民族がエジプトを脱出する際、パン種を入れずにパンを焼いたことに由来する。ユダヤ人の家では、祭りの1週間前から部屋の隅々まで徹底的に掃除をして、パン種が取り除かれる。

例年と違うのは、戦時中で予備役の男性たちは家にいない。ガザでは今も人質130人以上が拘束されており、人質の家族はペサハを祝う気持ちになれずにいる。イスラエルの南部や北部のコミュニティーから避難した約11万8000人は、別々のホテルで家族と離れ離れの生活が続いている。さらに、イランからは大規模な攻撃を受けるなど、多くのイスラエル人が不安を感じている。

それでもユダヤ人は、未来のために子供たちとセデルを行う。そこには、民族の歴史と重ね合わせながら、困難を克服しようとする強さがある。(M)

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