五輪控え暴力が急増 フランスから

フランス北部グランドシンセで22歳のソーシャルワーカーが、ギャング団一味と思われる未成年者の待ち伏せで惨殺される事件が15日に発生した。同じ時期、南部モンペリエでは、14歳の女子生徒へのネットいじめがエスカレートし、集団暴行へ至る事件が発生した。

この数年、若者同士の乱闘が急増、1~3月までの対立するギャング団の暴力件数は、昨年同期比で8%増加した。

パリ市内を歩いていても地下鉄に乗っていても、街が荒れており、どこで乱闘が起きてもおかしくないほどの緊張感がある。また、友人の白人フランス人女性は「車の運転が荒くなり、ルールを無視したドライバーが多く、運転に危険を感じる」といら立っている。

メディアは建前上、容疑者の人種を特定することは避けているが、ルールを守らない多くの若者が移民系なのは明らかだ。アタル首相は「法律を守らない野蛮行為は許せない」として厳罰化を約束した。

6月の欧州議会選挙を控え、右派勢力優位が伝えられるが、ルールに厳しい右派が支持されているのは、国の荒廃を憂える有権者が増えているからだ。友人の一人は「パリ五輪を前に秩序のないフランスを見せるのは恥ずかしい」との声も聞かれる。

マクロン大統領は若者の暴力事件多発に対して「非文明化」の兆候と指摘するが、これはかつて極右政党が叫んでいたことと変わりがない。(A)

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