【上昇気流】(2024年4月17日)

戊辰戦争(Wikipediaより)

「先の戦争」の話を福島県会津若松市に住む古老に聞かされたことがある。てっきり「先の大戦」と思って耳を傾けていたが、薩摩や長州といった言葉がやたらと出てくる。それで恐る恐る尋ねてみた。「あの、先の戦争というのは、いつの戦争ですか」。途端に叱られた。「先の戦争と言えば、戊辰(ぼしん)戦争に決まっておろうが」。

平成30年は「明治150年」だったが、会津では「戊辰150年」と表現した。それが当地の肌感覚で、世間からとやかく言われる筋合いはない。

「先の大戦」はどうか。気流子が受けた戦後教育では教科書に「太平洋戦争」とあったが、近所の年配者でそう呼ぶ人に出会った記憶がない。「大東亜戦争」だった。とりわけ防空壕(ごう)に逃れたといった自身の話になると大東亜戦争との言いように熱がこもった。それが戦争体験者の実感のようだった。

陸上自衛隊第32普通科連隊(さいたま市)が硫黄島で開催された日米合同戦没者追悼式に参加し「大東亜戦争最大の激戦地硫黄島」などと公式X(旧ツイッター)に投稿したところ、朝日新聞からお咎(とが)めを受けた。

連合国軍総司令部(GHQ)が「神道指令」で軍国主義を連想させるとして大東亜戦争の呼称を禁じている、と(13日付社説)。恐れ入った。GHQの命令が今も生きているとは。

ならば全国の古老に聞いてみよう。「先の大戦を何と呼ぶのか」と。きっと「大東亜戦争に決まっておろうが」と叱られそうだ。

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