【上昇気流】(2024年4月2日)

能登半島地震の発生から3カ月を迎え、大規模な火災が発生した観光名所「朝市通り」で手を合わせる僧侶の女性=1日午前、石川県輪島市

能登半島地震で大きな被害の出た石川県七尾市で町内会長を務める友人とメールのやりとりをしている。友人の家族も無事で住居もそれほど大きな被害はなかった。しかし発災3カ月が経過した今も、次々と課題が持ち上がり気の休まる暇がないという。

発災1カ月ほどは、余震の恐怖もあり、一種異常な緊張状態の中で過ごしてきた。睡眠も十分取れなかったが、疲れは感じなかった。しかし1カ月を過ぎ、どっと疲労を覚えるようになった。

もともと心臓に持病を持つ友人は、2カ月を過ぎた頃に心身共に厳しい状態に陥った。週2回応援に出ている民間の支援教育施設での仕事も1週間ほど休んだ。

それで体調は何とか戻ってきたという。それでも、避難所の閉鎖に伴う町内の人の移動の手伝いなどやることは多い。その合間に自宅の片付け、災害ごみの運び出しを続けている。

先日は、介護施設に入所していた町内の92歳と98歳の老人が相次いで亡くなり、告別式の受付に立っているとのメールが届いた。介護施設も2カ月以上断水が続いたが、いわゆる災害関連死ではなさそうだ。友人曰(いわ)く、「ひと安心し、春の兆しを感じて逝かれたか?」。少しでも平安な気持ちで、そして町内の人たちに見送られて旅立てたというのが、せめてもの慰めだ。

能登半島の復興には、その核となる地域の共同体の存続が不可欠だ。より深刻な被害を受けた輪島市や珠洲市では、この共同体の維持が復興の成否を分ける。

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