【上昇気流】(2024年3月25日)

北川啓介さんが開発・設置した屋外用インスタントハウス=2月17日、石川県輪島市

能登半島地震の被災地で、短時間に設置できる簡易住宅「インスタントハウス」が建てられた。名古屋工大教授が開発したもので、屋外用約100棟、屋内用約900棟を設置。被災者はもちろん国民の多くが望んでいたことだ(小紙3月19日付)。

仮設住宅は一時的な居住(約2年)の場で、その期間を経て新住宅に移ることが前提。ただ東日本大震災後は、期間が過ぎても居住地が見つからないケースもあり、自治体は住宅整備に頭を痛めた。

建設業者は災害時のための要員を日頃から確保しているわけではない。また建築基準法では生活環境を考慮し、建物の構造や資材についての規定もある。そういった事情があり、能登半島の被災地でも仮設住宅は約8000戸の需要がありながら供給は約300戸だ(2月29日時点)。

インスタントと言えば、早い、美味(うま)い、賞味期限が長い。「インスタントコーヒー」は1899年に日本人が発明し、大戦後の世界に広がった。「チキンラーメン」は日清食品の安藤百福が作り世界を席巻した。

日本人は歴史上、何度も大災害に見舞われ、厳しい状況が繰り返される中で蘇生してきた。1923年の関東大震災では甚大な被害を受けたにもかかわらず、「大風呂敷」と言われた帝都復興院総裁、後藤新平を中心に復興事業を進め、東京を近代都市に生み変えた。

日本人の知恵や技術、そして不屈の精神を生かし、世界が抱える衣食住の問題に光明を与えられないか。

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