能登地方に春の訪れを告げる「平国祭」が、このほど18日、19日の両日、石川県羽咋市(はくいし)で行われた。
本来は18日から6日間、半島の付け根、羽咋市や志賀町、宝達志水町(ほうだつしみずちょう)を練り歩く。
しかし、今年は能登半島地震の影響で道路事情が悪化しているため、2日間だけの巡行となった。
一行は気多(けた)大社の鳥居を出発し、神馬と呼ばれる馬と神職行列が地震からの1日も早い復興を願いながら地域を練り歩いた。
「平国祭」は、羽咋市に鎮座する気多大社の神様がかつて能登を平定したという言い伝えにちなんでいる。
この行事は少なくとも500年ほど前から行われているという。
18日は、神馬と呼ばれる神聖な馬を先頭にして、神職や地元の高校生など30人余りが巡行した。
「おいで祭り」とも呼ばれる「平国祭」は「寒さも気多のおいでまで」として、能登に春を告げる風物詩となっている。
沿道の住民たちは行列に地震からの復興を願って手を合わせ、春の訪れに感謝していた。
参加した高校生も、「被災者が1日も早く安心して暮らせるよう願って歩きました」と話していた。
気多大社の三井孝秀宮司は「神社や道路に被害が相次ぐ中、地震がおさまるように願い開催しました。みんなで一丸となって復興に向け進んでいきたい」と話していた。
(仁)