トップコラム【上昇気流】(2024年3月20日)

【上昇気流】(2024年3月20日)

道路工事

こっちで工事、あっちで工事。年度末の3月になると、やたらと道路工事が増える。車で出掛けると片側通行で渋滞だったり、遠回りを余儀なくされたり。そんな時、「憲法がこの惨状を招いている」と叫びたくなる。

憲法86条のことだ。「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」。国も自治体も予算は4月から翌年3月までの1年度と決められている。それで3月末までに使い切るため突貫工事が増え、道路は渋滞に陥る。戦後、各地で見られた風景だ。

昨今は3月に工事が集中しないよう努めているという。それでも人事異動に卒業・入学の準備、年度内の集金や納品などで慌ただしい。そこに道路工事が加わると、否(いや)が応でも予算の単年度編成に目が向く。

この解決には条文に「継続費」の規定を設ければ済む話だが、戦後日本は護憲一点張り。そもそも財政は民主主義の基礎とされるのに憲法論議でも取り上げられない。

思い出してほしい。米国の独立戦争は「代表なくして課税なし」がスローガンだったことを。憲法の“元祖”である英国の「マグナカルタ」(1215年)は、議会の同意がない国王の課税を認めないことを。財政のあり様は憲法の核心と言ってよい。

他国には赤字財政防止条項や予算未成立の際の非常事態条項もある。いずれも日本の現行憲法には無縁だ。3月の道路渋滞もまた、国民の生活を左右する憲法問題と心得たい。

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