トップコラム小学の卒業式、袴姿が人気とか

小学の卒業式、袴姿が人気とか

よく利用する整体院で腰をもんでもらっていたら、隣のベッドからこんな会話が聞こえてきた。

「うちの孫が卒業式を迎える。小学生なのだけど、最近は袴(はかま)姿もいるらしい。何、着させたらいいのか」

声の主は女性で高齢者らしい。若い女性の整体師は「誰か1人、振り袖を着ると、どんどん広がりますからね」と、驚くでもなく言葉を返していた。

「小学生で袴・振り袖?」。カーテンを挟んで聞いていてビックリ。昭和に小学校を卒業した筆者の場合、卒業生はそっくり同じ中学に入学するので、その中学の制服を着て式に臨んだ。

だから、保護者は「何を着せればいいか」と悩む必要はなかった。しかし、私立中学に入学する子供が多い都会では、全員同じ制服とはいかない。

家に帰って、さっそくX(旧ツイッター)を検索すると、「最近は小学校でも袴が人気らしい」「うちの学校も袴の子が何人かいた」という書き込みが並んでいた。写真付きもあるからウソではなさそうだ。

中には、こんなのもある。「ウチの学校、袴、着物禁止令が出ている……過去にキツく締めるから体調悪くなってしまったり、トイレで大変な事になって出て来られなくなったり、卒業証書の時にコケてしまった子がいるらしい」

筆者の高校は制服がないこともあって、袴姿で卒業式に臨んだ同級生は何人かいて目立ったが、それは悪ふざけだった。子供の袴姿は純粋に可愛(かわい)いし目立つが、保護者が着せたがるのか、本人が望むのか。

だが、子供の貧困が指摘される昨今。晴れの卒業式にも家庭の経済格差が現れるのかと思ったら、整体院で聞いた女性の悩みの声が耳によみがえった。

(森)

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