
イスラエルでは、いまだに戦争が終息していないが、南北の国境沿いの地域を除いては、以前のような日常風景が見られるようになってきた。
昨年10月に戦争が始まってから若者たちがほとんど見られず閑散としていたエルサレム中心部の広場では、数日前、めずらしく若い男性たちが大勢集まって踊りのパフォーマンスをしていた。
ハマスに連れ去られて安否の分からない人質はまだ100人以上いるが、ガザ地区からのロケット弾攻撃はほとんどやみ、予備役で駆り出されていたイスラエルの男性たちはローテーションで帰宅し、家族との日常生活が戻ってきつつある。国外に避難していたイスラエル人家族も次第に帰ってきているようだ。
イスラエルから比較的近い国のジョージアには、約500家庭が避難した。もともとユダヤ人のコミュニティーがあり、学校や幼稚園も運営されていたという。ジョージアに避難したものの、することがなくストレスが溜まっていた子供たち向けに、ユダヤ教のラビ(宗教指導者)夫婦が中心になって一時的な教育態勢をつくり上げた。自分の言葉で話し学べる子供の居場所ができて、両親も抱えていた心理的負担が軽減され、親子共に喜んだ。
イスラエルの自宅がある地域の危険性が低くなり、地元の学校が再開したのを聞いて、帰国を決める人が増えてきた。それでも、まだ150家庭ほどがジョージアで避難生活をしているという。
誰もが安心して暮らせる日々が来ることを心から願うばかりだ。(M)