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沖縄本島が水不足の危機を迎えている。県企業局によると10日時点でのダム貯水率は46・3%で、平年を大幅に下回っており、これは過去10年間で最低の水準だ。
水不足の大きな原因となっているのは昨年から続く少雨で、今後まとまった雨が降らない限り、貯水率の大幅な改善は見込まれない。県は、このまま貯水率が20%台に突入した場合、30年ぶりとなる断水も視野に入れているという。
玉城デニー知事は8日、本島北部のダムや浄水場などを視察し「沖縄は、よそから水をもって来られず雨水に頼らざるを得ない」として、県民に加え観光客に対しても「改めて節水についての呼び掛けを徹底していかなければならない」と危機感を示した。
玉城氏が視察した金武ダムでは、水位が満水時に比べ約7㍍も低下。ところどころ岩肌が露出しており、事態の深刻さを物語っていた。
今年1月には名護市の久志浄水場から西原町の西原浄水場を結ぶ導水管で漏水事故が発生し、一部工業用水が断水する事態となり、復旧工事も難航したことで水不足に更なる追い打ちがかかった。
これらの事態を受け、県は緊急の対策として2月28日、1年半ぶりに嘉手納町の比謝川からの取水を再開。比謝川は2021年、有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されたことで、取水が停止されていたが、県企業局は北谷浄水場の高機能活性炭を使用することでPFAS濃度を基準値以下に引き下げることができるとしている。
生命の維持に最も欠かせない水の確保は最重要課題ともいえるが、具体的な解決策は「雨乞い」という原始的な方法しかない。県民が力を合わせ、節水に取り組み乗り切っていくしかないだろう。
(K)