
東日本大震災発生から13年。震災では沿岸部はもちろん市中の被害も甚大で、東北大学では宮城県女川町の農学研究科付属施設など28棟が建て替えを必要とし、実験機器約7000台が損壊。被害総額は計770億円に及び、研究活動に大きな支障が出た。
再建途中だったが2012年、「地域の被害を最小限にすること」を目指し災害科学国際研究所(IRIDeS)を立ち上げ、地震、津波の発生メカニズムの研究と共に、産学連携による企業の防災人材の育成など俯瞰(ふかん)的に防災戦略を練ってきた。
例えば災害時の物流について、大手運輸会社のトラックはよく利用されるが、中堅・中小企業のトラックには声が掛からないのが実情だと指摘し、改善を進めた(広報誌「IRIDeS NEWs 2022」)。
災害時の物資運送や仕分けシステム管理の不備については、同様のことが直近の能登半島地震でも言われた。国が真摯(しんし)に耳を傾け対応すべき問題の一つだ。
都市計画などが専門だった理学博士の清水馨八郎氏は生前、「自然災害は文明に対抗する形でやってくる。災害の大きさは文明の規模の二乗に比例する」と訴えた。
災害は居住地、環境保護・開発対象の地域、工場・商業施設と区別して起こるのでなく文明そのものが狙われるので、統一的な防災対策が必要というわけだ。IRIDeSは約100人の研究員体制。産官学連携を見据えたIRIDeSのような研究所が増えることを願いたい。






