
米大統領選指名候補争いの「スーパーチューズデー」で、共和党のトランプ前大統領が15州のうち14州を制して圧勝、早々と指名獲得を確実にした。11月の選挙は、4年前と同じく民主党のバイデン大統領との戦いになる見込みだ。
日本のメディアはトランプ氏について、米連邦議会襲撃事件など4件で起訴されたことばかり取り上げ、「民主主義の破壊者」のように報じてきた。しかし、その通りだったら、いくら保守層が中心とは言え、人々の支持は得られないだろう。報道と現実のギャップは大きい。
選挙では、どちらが勝利するか分からない。それでも他紙の社説を読むと「米国のトランプ前大統領の再来が現実味を帯びてきた」(読売)、「『トランプ登場』に備えよ」(産経)と、トランプ氏再選に力点を置いている。
米国第一を強調するトランプ氏が再び大統領に就任した場合、世界情勢への影響は大きい。ロシアの侵攻と戦うウクライナへの支援が断たれてしまう恐れのあることが最大の懸念材料だ。その影響は既に出ており、緊急予算案は共和党多数の下院での可決の見通しが立っていない。
日本に対する要求もどうなるか。トランプ氏の信頼を勝ち得て、かつてない強固な日米関係を築いた安倍晋三元首相はもういない。
トランプ氏と西側首脳の関係が難しくなった時、安倍氏は調整役も果たした。トランプ氏再登場で、日本だけでなく世界が「猛獣使い」の喪失の大きさを知るのだろうか。





