トップコラム首都ワシントンでカージャック急増 米国から

首都ワシントンでカージャック急増 米国から

全米の多くの都市で治安が悪化する中、首都ワシントンでは、自動車を強奪するカージャックが急増している。警察当局によれば、昨年発生したカージャックは958件で、前年の2倍以上だった。

中でも最近、注目を集めたのが、トランプ前政権で米商品先物取引委員会の幹部だったマイケル・ギル氏が、車に乗り込んできた28歳の男に銃で撃たれ亡くなったことだ。男はその後、カージャックを繰り返し、別の男性も殺害した後、警官によって射殺された。

ギル氏が撃たれたのは、ホワイトハウスから2キロほどの大通りの中心部で、治安はそれほど悪くないエリア。時間帯も深夜ではない夕方に起きており、他人事(ひとごと)ではないと思わされる。

専門家によると、カージャック犯の多くは若者で、「バスを待つのが嫌だった」「誰も迎えに来てくれなかった」などと驚くほど短絡的な理由から、犯行に及ぶという。

カージャックが横行しているのは、その大半が捕まらないため、犯罪抑止力が低下しているためだ。犯人のうち、実際に逮捕されたのは2割にも満たない。

その理由の一つは、同市で警察官の数が歴史的な低水準に陥っていることにある。これは、2020年にミネソタ州で黒人男性が白人警官に暴行を受けて亡くなった事件以降に高まった「警察予算打ち切り」運動の影響で、警察予算が削減されたり、警官の士気が低下したことが主な要因だ。

警察を敵視する左派運動の当然の帰結として治安が悪化していると感じる。住民の安全を守るためにリスクを取る警察官に対し、感謝と敬意を払うという良識が広がることを期待したい。(Y)

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