
会員制の米国系大型量販店「コストコ」の「沖縄南城倉庫店」が今年8月、南城市にオープンする。これに先立ち、運営会社はオープニングスタッフの募集を開始したが、その時給に注目が集まっている。
公式サイトで明示された時給はなんと「1500円以上」で、県内のアルバイトの平均時給975円を大きく上回る額だからだ。また各種求人情報サイトなどを確認すると、時給上限は2000円となっており、残業代は1分ごとに支給され、1000時間勤務ごとに自動昇給するという。
このニュースが報道されると、SNSでは「もう他の店ではバイトできない」「コストコを見習って時給をもっとあげて」など、大盛り上がりとなった。
県内では春闘が本格化し、1日に那覇市内で行われた「2024労使首脳懇談会」では連合沖縄が定期昇給などを含む5%以上の賃上げを求める要望書を県経営者協会に提出。同協会の金城克也会長は、「人手不足や物価の上昇を踏まえると賃上げを行う環境だと理解している」としながらも、一律の対応には慎重な姿勢を示している。
現在沖縄の最低賃金は896円で、全国ワースト3位(45位)。エネルギーや食料品の物価高騰が続き、賃金が上がらないことが家計への大きなダメージとなっている中、コストコが打ち出した破格とも言える待遇が県内企業の賃上げの突破口となるか期待が寄せられている。
一方で、南城市の店舗は人口の多い那覇市から少し離れた場所にあり交通の便が悪いことや、パートでも原則土日出勤となっているため、ひとり親家庭の主婦などには難しいのではとの懸念の声も聞こえる。
賃金や待遇を全国一律とするポリシーを持つコストコだが、果たして沖縄にも通用するのだろうか。今後に注目したい。
(K)