【政界一喝】盛山氏は不適格を自ら認めよ

盛山正仁文部科学相は直近2021年の衆院選で、宗教法人世界平和統一家庭連合(旧統一教会、以下教団)の関連団体と地元兵庫県で選挙応援のための政策協定に当たる「推薦確認書」を交わし、多数の教団信徒からも電話かけなど熱心な応援を受けていた。

だが、そのことを公表しないまま宗教法人の死刑宣告に等しい解散命令請求を昨秋、東京地裁に行った。所管大臣として同請求を行うに適格な立場ではなかったと言わざるを得ない。

盛山氏は当選5回の閣僚「待機組」として昨年9月、特段の文部科学省系の経歴ももたぬまま、初めて大臣に任命された。

過去のことであれ、かつて同じ岸田内閣で山際大志郎経済再生担当相が教団との関係を原因に更迭された。従って、入閣に当たっての”身体検査”では、その関係を極力伏せておきたかったに違いない。

一方、地元兵庫で熱心に選挙支援をしていた関連団体や教団信徒らは、選挙に必ずしも強くない盛山氏を比例復活で当選に滑り込ませるに費やした労苦を少なからず自負していたようだ。

盛山氏の文科相就任に際しては、いまだ請求されていなかった法人の解散命令について、所管大臣としてより慎重に進めてくれるだろうと、当時、彼らがひそかに期待したとしても無理からぬことだ。

だが、大臣就任もまもなく翌月10月13日に法人の解散命令が請求された。そして最近になり関連団体との「推薦確認書」や教団信徒らによる選挙応援の事実が複数の報道で明るみになったが、それらを受けた盛山氏の発言と態度が異彩を放っている。

衆院選を比例復活でようやく乗り切ったはずの盛山氏が、選挙のたびごとに一定の組織票をまとめてくれた関連団体地元幹部や20人にも及ぶ電話ボランティアらについて、衆院予算委という公的な場で「記憶にない」と繰り返したのだ。国立大学の最高学府・東京大学卒業の経歴が恥ずかしく映った。応援を受けた事実を忘れた不徳に加え、謙虚にもなれず、さらに選挙支援を「お願いしたこともなかった」と開き直った。

学校教育をつかさどる文科行政の風上にも置けない人物ではないか。解散命令請求うんぬんの前に、自身の人格を恥ずべきだ。

社会的に評判が悪くなったからと、受けた熱心な選挙応援の事実すらひた隠そうと、醜い答弁をNHKのテレビ中継で繰り返した後、衆院では盛山文科相の不信任決議案が提出された。今月20日に否決されたが、続く22日、解散命令請求について国と教団双方から意見を聞く審問が東京地裁で行われた。利益相反が明らかな盛山文科相だが、どのような心理状態で臨んだのか。今後の展開のいかんにかかわらず、文科相としての適格性がないことは国民の前に自明だ。

会見で記者から宗教法人の所管大臣にふさわしいか問われ、盛山氏は解散命令請求を含めた行動をみて信頼せよ、と述べている。そこに込められた思いこそは、政策協定を結んだ過去、選挙応援を受けた過去を断ち切ったと無情に言い張る自身を、態度と実績で見事に証明してみせるぞ、との感情を潜めた偏狭な意気込みではないのか。正当な取り組みなどいずれ不可能であることを自ら立証している。盛山氏は文科相不適格を自ら認めて辞任すべきだ。(駿馬)

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