パリ五輪控え治安課題 フランスから

7月のパリ五輪を控え、政府にとって最も頭の痛い問題は治安の維持だ。政府は、再開発という政策的意図もあり、移民が多く、全国的にも犯罪発生率の高いパリ北郊外セーヌサンドニにメイン会場と選手村を設置した。当然、治安対策強化は必須だ。

セーヌサンドニは、警察が強化している麻薬密売との戦いの主戦場。ここは密売ポイントが集中しており、麻薬対策局(OFAST)と国家警察は、特に見張り役の若者(多くは人身売買組織に雇われている)の拘束を優先している。地元住民も一役買っている。麻薬使用者や密売人が集まる状況に憤慨する住民が、公園や歩道に立っている見張り役や密売人に話し掛け、排除する動きに出ている。無論、組織間の抗争もあるくらいなので、過度に刺激するのは危険だ。

見回りを行っているのは高齢者が多い。数人で売人に近寄り、スマホで写真を撮り、当局に知らせたりしている。

フランスは欧州有数の大麻消費国で、年間の売上高は12億ユーロ(約1930億円)と推定されている。コロナ禍後、販売方法もSNSなどの利用で多様化し、麻薬ディーラーは大麻、コカイン、合成麻薬、ヘロインなどを提供し、大量販売による値下げやマーケティングまで行っている。

利益が多いだけに関与する者も増えている。果たして、パリ五輪開催までに活動を抑えられるのか。警察は捜査官を増員し、地域住民を巻き込んで対策に乗り出している。(A)

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