能登半島地震で全国の警察、消防、水道、医療そして事務担当の自治体職員らが多数応援に駆け付けている。取材で訪れた石川県の輪島市や能登町の道路で、警視庁や大阪府警のパトカーと擦れ違った。不思議な感覚を覚えるとともに、能登はいま非常事態なのだと改めて実感する。
水道の復旧作業には、全国各自治体の水道局が当たっている。幾つもの自治体からの派遣者を見たが、七尾市は栃木県などの水道局からの応援部隊だった。
輪島港にある支援物資の配布場所では、北海道庁のジャンパーを着た職員が車の誘導を行っていた。はるばる北海道から来たのだと思うと、ちょっと胸が熱くなる。被災者はなおさらだろう。
志賀町の町役場では、全国の自治体から派遣された職員らが、日曜にもかかわらず仕事に取り組んでいた。被災証明の発行をはじめ、通常の能力を超える事務仕事だ。復旧・復興のためには、事務処理のスピードアップが欠かせない。
全国の駐屯地から派遣されている自衛隊の車両は、普段あまり見ないだけに目を引く。しかし、実際に行っている活動は実に地味で大変な作業だ。土砂崩れで孤立した輪島の集落へは、山道を歩いて支援物資を届けた。入浴支援でも大活躍している。
支援の車両はフロント部分に「災害支援」と書かれた横断幕を貼っているが、下部分には派遣自治体の名前が書かれている。これが「能登の皆さんは独りではない」という無言の励ましになっている。